生まれてから今まで観てきた映画全部

タイトル通り、生まれてから今まで観てきた映画全部についての感想を述べたいと思います。

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ウルフガー

Author:ウルフガー
業界の末端に携わっている映画好きです。名前の由来は「ナイトホークス」より、ルトガー・ハウアー扮するテロリストから勝手に頂きました。

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サスペリア

サスペリア プレミアム・エディションサスペリア プレミアム・エディション
(2005/07/23)
ジェシカ・ハーパーアリダ・ヴァリ

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本日は劇場に映画を観にいく予定だったのですが、ひょんなことから都合が悪くなってしまったので、また旧作の思い出を語っていこうかと思います。以前から書こう書こうと思ってなかなか手をつけられなかった「サスペリア」でございます。

これは月曜ロードショーか何かで観たのが最初だったと思います。実は劇場公開時も家族で観に行ったのですが、隣り合った劇場で「エクソシスト2」と「サスペリア」がやっていて、どちらを観ようかということになって、土壇場で怖くなってどっちも嫌だと私が駄々をこねて観なかったのです。当時は幼かったので、まだホラー映画がマジで怖かったのですね。今となっては信じられない話ですが。

この映画はダリオ・アルジェント監督の最高傑作と言い切っていいでしょう。ホラー映画というよりまだオカルト映画と呼ばれていましたね。リアリズムに慣れた今の目で見ると極彩色の照明やゴブリンの音楽に違和感を覚える人もいるかも知れません。登場人物の演技もエキセントリックすぎますし、殺人シーンが執拗で長いと感じるかもしれません。しかし、刷り込みというのでしょうか、私くらいの世代の人間にとってはホラーと言えばこういう感じの映画なのです。

お話はジェシカ・ハーパー演じるヒロインがバレエの寄宿学校に到着するところから始まります。よりにもよって嵐の夜です。このオープニングからして異様に怖いです。何があるわけでもないんですが、いきなり音楽がやんで空港の自動ドアにカメラが寄っていったり、そのドアが開くときのカット割り、風に吹かれて髪が逆立つ描写など、神経症的演出が凄いです。

そしてその夜いきなり殺人が起こります。このシーンのサディズム溢れる殺し方も凄いです。とにかく執拗です。アメリカのホラーなどはいくらグロい描写をしていても殺人そのものは一瞬で終わることが一般的なのですが、イタリア映画それもアルジェント監督になると、ナイフを何回も刺したり、女性が怯えたり苦しんだりする様子を延々と映したり、さらに死んでからもその死体が弄ばれたり、損壊したりという様子をじっくり描写します。これはしかし美しい女性を愛するアルジェント監督の屈折した愛情表現なのでしょうね。残酷でありながら一種の美しさを感じるのはそのせいでしょう。ここでもナイフを何度も刺され、被害者が天窓を突き破って首吊りになるまでがもの凄いテンションで描かれます。その天窓のガラスが顔に突き刺さってもう一人死ぬというおまけつきです。

ストーリーはそのバレエ学校が実は悪魔に支配されているというか、学長が悪魔崇拝者だったんでしたっけ? それで次々と殺人が起こるというものです。でも細かいところはあまり覚えていません。これは物語がないとか、筋が通っていないということでなく、論理的整合性をそれほど重視していないからだと思います。この映画ほど細かいところを気にしたら駄目という表現が当てはまる映画はないと思います。

それよりとにかく個々の恐怖シーンに酔いしれる映画です。ジェシカ・ハーパーは美しいですし、役者たちもみんなエキセントリックで、秋田書店の少女漫画系の恐怖漫画を思わせるようです。まあ「サスペリア」という雑誌もあるくらいですから、この映画に影響を受けたんでしょうけど。友達が襲われたりしているうちに、何とか真相にたどり着き、ジェシカ自らの手で決着をつけて学校から脱出。学校は炎上するんでしたっけ。燃える窓を映しながらゴブリンの音楽が流れてエンディングだったような気がします。この音楽がまた最高にカッコいいのですが。

何となく謎解きっぽい展開もありますが、まあそういうのは雰囲気だけで、ひたすら追いつめられる少女たちの怯えっぷりを楽しみましょう。あとラストに本当に怖いシーンがあって、私などは今でもトラウマになっていて夜とかは観れませんので、皆さんも決して一人では観ないでくださいね。

マッドストーン

また脈絡もなく昔の映画について書きますが、今回は今となってはほとんど知る人もいないであろう「マッドストーン」という映画についてだべらせていただきます。

この映画、1974年に作られた映画なのですが、79年か80年でしたか「マッドマックス」というオーストラリア映画が大ヒットしまして、こちらの方は皆さんおなじみでしょう。で、同じオーストラリア映画で暴走族を扱っているということで、「STONE」という原題に強引にマッドをつけてお蔵入りになっていたところを公開されたといういわくつきの作品です(憶測も入ってますが)。

さすがにパチモノ臭がしたので、劇場には観に行っていないのですが、その後月曜ロードショーで放映されたときに見てしまいました。これ「マッドマックス」に便乗して公開されたものの、内容は全く違っていまして、というか似てもいませんし、アクション映画かどうかも微妙なお話です。

いつものようにうろ覚えでストーリーを書きますと、ある暴走族が何者かに一人ずつ殺されていくという連続殺人が起こります。道にワイヤーを張っておいて、バイクで走ってきたら首が飛ぶという殺人方法が印象的でした。ひょっとしたらその後の似たようなアイデアの元祖なのかもしれません。これ以前から有名な手段だったらごめんなさい。

で、刑事がバイカーに化けてその暴走族に潜入し、犯人を探るという囮捜査ものです。確か要人暗殺の犯人が暴走族の誰かに目撃されたと思って、一人ずつ始末していたというのが真相だったと思います。でもまあお話はどうでもいいのです。焦点は、刑事が暴走族の中に潜入してだんだん彼らのライフスタイルに馴染んでいき、友情が芽生えたりとか、彼らの生き様に触発されていくドラマが主眼だったように思います。あくまで私の印象でしかないので、そんな映画じゃなかったよという方がいらっしゃったらごめんなさい。しかしこの映画に関してはソフトも出ていませんし、もう確認するすべもないのでそういうことで進めていきます。

映画全体は地味ながら、まあ何とか事件を解決します。犯人が敵の暴走族を利用して攻撃してきたところを刑事が捕まえて、みたいな感じだったと思います。正直あまり覚えていません…。で、犯人を捕まえて警察に連行するわけですが、当然暴走族たちはそこで、彼が今まで刑事と言う身分を隠して潜入していたことを知るわけです。騙された、みたいな感じなんでしょうね。そして衝撃のラストがやってきます。

この映画を観た当時はまだそんなに囮捜査ものを観ていたわけではないので、どんな決着がつけられるのか全く予期していませんでした。でも大抵悲しい結末に終わるものが多いんですよね、こういう映画は。この映画に関しては全くの直球勝負で、ラストには刑事の家にその暴走族の連中がやってきて集団でリンチにしてしまうのです。殴る蹴るの暴行です。奥さんもいたのですが、悲鳴を上げることしかできません。で、刑事は半殺しにされて暴走族は去って行きます。命はまあ助かったのですが、奥さんが警察を呼ぼうとするのを、刑事が朦朧としながらも「いいんだ…いいんだ」と止めるのが泣かせます。そしてそのままフェードアウトして荻昌弘さんの解説となったわけですが、正直この鬱エンドにはかなりあっけにとられました。劇場に観に行った人はさらに困惑したのではないかと推測します。しかしそれもこれも「マッドマックス」的なものを期待させるような売り方をした配給会社のせいで、違った形で公開されたならまた違った印象を持ったかもしれません。いや、それだとそもそも公開されなかったのか…。

ハンコック

今日は「ハンコック」を観てきました。たった今帰ってきたところです。言い訳をするわけではないのですが、シネコンに行って、ちょうど時間に合うのがこの映画しかなかったのです。観てもいいかなと思っていたので、まあ観てみるかという感じだったのですが、いやーちょっと残念な感じの映画でした。

この映画に関しては、劇場でかかっていた予告しか観ていなかったのですが、ウィル・スミスが型破りなヒーローをやるちょっとコメディチックなSFアクションだと思っていました。で、まあ内容はそんな感じなのですが、結論から書くと、非常にお話が行き当たりばったりで表面的で、どうにも面白くなりませんでした。

アイデアはいいと思うのです。不真面目なヒーロー、しかも事件を解決するたびに周りに迷惑ばかりかけているという厄介者です。そんな奴が主人公だったら面白いだろうなあ、と誰かが思いついたのでしょうが、この映画はそれだけで終わっているような気がします。

普通映画というのは脚本を書いて、プロデューサーやら監督が面白そうだとオーケーを出して、それが完成してから撮影に入るものだと思うのです。ひょっとしたら時間がなくて脚本が出来上がらないうちに撮影しなければならない場合もあるのかもしれません。ひょっとしてこの映画もそうして作られたんじゃないか? と思えるくらい、観ていて話の方向性がどんどん変わっていくのです。

私はシャマラン監督の映画が好きというだけあって、映画の内容が期待と違っていてもかなりフレキシブルに気持ちを切り替えてついていく自信があったのですが、この映画にはついていけませんでした。それでも2回ほどは気持ちを切り替えたのです。でも途中で置いてけぼりにされてしまいました。

まずハンコックが冒頭で酔っぱらいながら型破りな手段で強盗を捕まえます。いろんなものをぶち壊しながらです。ここらあたりはちょっと面白いです。それで市民たちに非難されるのですが、この辺りはアメリカのおかしなところをカリカチュアしているようで、「ああ、黒人であるウィル・スミスの個性を利用してその辺りを風刺するブラックコメディをやりたいのだな」と思っていたのですが、そういう意図ではなかったようです。映画は本当にハンコックが悪いのだとして、彼が心を入れ替えて本当のヒーローとしてどう更生していくかという内容になっていきます。

広告代理店か何かの社員なのでしょうか、レイという男と知り合って、ハンコックは彼の提案でみんなに謝り、刑務所に入ります。でもハンコック自身にどういう心境の変化があったか分からないうちに、事件が起きて呼び出され、新コスチュームで活躍します。普通ならここで凄いカタルシスを感じたいのに、全てが突発的なのでいまいち盛り上がりません。

で何とか強盗も捕まえてハンコックはヒーローとして認められるのですが、ここまでで映画の半分くらいです。その後どうなるかと言うと、レイの妻が実はハンコックと同じようなスーパーヒーローだったと分かり、何故かこの二人の戦いになっていきます。まあサプライズとしてはなかなかいいのですが、その設定とかが後付けというか、正直何も考えてないでしょ? と聞きたくなるくらいいい加減です。それも全部セリフで説明されるので、これを面白がれというのが無理です。で、ハンコックは記憶喪失なのですが、もう何千年も生きており、以前その女と恋人だったとか何とか…、それでレイと三角関係でドラマ的に盛り上げるのかと思いきや、別にそうなるわけでもなく、ハンコックが撃たれて病院送りになったり、この辺りから何をやりたいのか正直分かりませんでした。書き忘れましたけどレイの奥さんというのはシャーリーズ・セロンさんです。ひょっとして彼女に見せ場を与えるためにこういう展開にしたわけではないでしょうけど…。

好みが合わなくて楽しめなかったというのとは違うのです。正直ハリウッド映画でこのクラスの役者さんが出ていて、これだけのお金がかけられている作品で、こんなにいろいろ失敗している映画は珍しいと思います。明らかにどこかで計算違いが起こっています。作った人たちもこんなはずではなかったと思っているのではないでしょうか。これでうまくいったと思っているのなら目も当てられません。

とにかく私は観客として面白い映画が観たいのです。レイと出会ったり、その妻が昔の恋人だったり、ハンコックが服役したときに銀行強盗があったりという、そういうことが全部偶然なのでは全く話に入っていけません。こっちはもっとハラハラしたいのです。ハンコックが撃たれて重傷を負ってから、「私たちが近づくと力が失われる」と言われても困ります(しかもその割にはさんざんスーパーパワーで戦っていましたし)、最後の脱獄してきた銀行強盗たちも、ハンコックが傷を負ったのをニュースで知ってから「今なら殺せる」と脱獄してきてくれないと、こっちはハラハラできません。そもそもそういうシーンがないので、不死身であるはずのハンコックをどうやって殺そうと思って脱獄してきたのかさっぱり分かりません。シャーリーズ・セロンさんも、正体を明かしてからは完全に悪役になってハンコックを今にも倒すところまで追いつめてから、やはり殺せずに助けてしまうということにしないとこっちは感動できません。レイにしても、いったんハンコックとは絶交だ、くらいにこじらせておかないと最後の危機を救うところで盛り上がれません。そういう観客の心をどういう方向に持っていくのかという演出が全くないのです。これだったらハンコックがヒーローとして認められる話だけにしぼって、ちゃんと作ってもらった方が良かったと思います。

なんだかいちいち文句を言っていたら長くなっていましたが、根本的な問題はハンコックというヒーローと対立する悪役が不在ということが原因なのかもしれません。もしはっきりとした悪役なしにヒーローものが作れるかという実験がしたかったのなら、「作れるが面白くはならない」という結果が得られて良かったね、と言うしかありません。

トロン

トロントロン
(2005/12/21)
ジェフ・ブリッジズブルース・ボックスレイトナー

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さて本日はCG映画の元祖とも言うべき「トロン」をご紹介したいと思います。部分的にはそれまでも「ルッカー」や「デモンシード」に使われていたのですが、映画全編に渡って大々的にコンピューターグラフィックスが使われたのは、確かこれが最初だったと思います。

これは公開当時、家族揃って劇場に観に行きました。予告か何かでバイクのシーンを見て、何これ最高なんですけど、と思って期待感は満点でした。しかしそのシーンはあまり長くなくてちょっとしょんぼりした記憶があります。

ジェフ・ブリッジス扮するプログラマーがひょんなことからコンピューター世界に入ってしまうのです。今で言うサイバー空間というのでしょうか。もちろん当時はそんな言葉はなかったわけですから、映画としては相当先取りしたアイデアです。

で、電脳空間では、普通のファンタジー系の映画の王道的なパターンで、見知らぬところで仲間を見つけて、悪い奴のところまで行ってそいつをやっつけるという、まあ一本道なRPGみたいな感じです。しかしそこにひねりなど最初から求めていないので、それは別にいいのです。

やはりこの映画は映像に尽きます。これが本当に一見の価値のある物で、なぜもっと再評価されないのか不思議でしょうがありません。思うに技術が進歩した今から見ると、当時の技術って大したこと無いのねー、とか、昔にしては頑張ってるのねー、みたいな言われ方をどうしてもされてしまうのかもしれません。しかし本当によくよく見てみれば、技術的どうのこうのは私はよく分からないのですが、映像そのもののカッコよさでは、全然今のCG映画に負けていません。

というのも当時はさすがに技術や処理速度の問題で、画面上にあまりたくさんのキャラクタは作れず、それ以外の部分が真っ黒であったりします。しかしそのバランスというか、画面構成は計算され尽くしていて、デザイン的に凄く秀逸な画作りがなされています。今のアニメチックなキャラクターをとりあえず3Dにしてみましたよ的なCG映画よりよほどクールです。

メビウスのデザインによるコスチュームとか、バイクのスピード感も凄いです。ここら辺などはちゃんと演出でスピード感を出しています。技術の問題をフォローしようと、演出や小道具や、とにかく知恵を絞っていろんなアイデアを出したのでしょうね。この映画の成功はデジタルの勝利ということではなく、アナログとデジタルの融合に成功した勝利という感じです。

当時は全く気がつかなかったのですが、ジェフ・ブリッジスさんが主演だったのですね。ただこの映画に関しては誰が主演でも同じようなものでしたので、その点だけはちょっとお気の毒な感じがしました。
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