2007.08.03(Fri)
口裂け女
![]() | 口裂け女 スペシャル・エディション 佐藤江梨子.加藤晴彦.入江紗綾.水野美紀 (2007/07/20) 角川エンタテインメント この商品の詳細を見る |
本日はDVDで観た「口裂け女」について書きたいと思います。なんでこれを見たかというと、以前「ノロイ」の感想を書いたと思うのですが、あの何とも言いようのない不可思議なホラーを撮ったのと同じ監督さんの新作だったのです。前作はバレバレのフェイクドキュメンタリーの態を装い、ニヤニヤ笑いを誘いながらも、後半は怒濤の展開で本当の恐怖を味合わせてくれる傑作だったと(私は)思っています。そんな監督さんの新作ですから、期待は高まります。しかし不安が無いわけではありません。今回はオーソドックスな劇映画なのです。前回のような飛び道具は使えません。演出力や構成力といった監督としての実力が問われるのですが・・・。
結論から書きますと、これはどうにもこうにも失敗作としか言いようがありませんでした。残念なことに「ノロイ」は偶然の産物か、私があまりに積極的に楽しもうとしたために作り手の意図した以上の面白さを感じただけのようでした。
とにかく脚本、脇役の芝居、演出、テンポ、全てにいたるまで、「ダメな邦画」の典型になってしまっています。「ダメな邦画」の典型というのは、時間がないのでカットを割らずに突っ立ったまま延々と会話をさせたり、棒読みのセリフを言わせたり、そのセリフ自体意味不明だったり、そうでなくとも思いっきり説明台詞で不自然だったり、独りよがりで本当に分かりにくいところが説明不足だったり、アクションシーンにまるで緊迫感がなかったり、ホラーなのに全く恐くなかったり、カット割りが映画のセオリーを全く無視してつながっていなかったり、美術や特殊メイクがチープで全くそれらしく見えなかったり、そんな映画のことです。「口裂け女」にはこれらのほとんどが当てはまってしまっています。
そんなわけでこれは駄作です、おわり、と書きたいところですが、それでは以前書いた「水霊 ミズチ」みたいな最低映画なのかというと、それとはまた趣きが違っています。あまりにダメすぎて、突っ込みながら楽しめてしまうのです。これもまた意図とは違ったところで楽しんでしまっているのですが、「水霊 ミズチ」のように、それすらも出来ない作品もあるわけですから、これはこれでいいのではないかと思えてしまいます。
例えば主人公らしいのですが、ちっとも主人公らしくない佐藤江梨子さんの芝居が変なのです。彼女は小学校の教師で、生徒達が口裂け女に襲われるのを何とか阻止しようというのですが、虐待されている子の相談を受けているうちに、何故かキレていきなりドスの効いた声で怒鳴る瞬間などは噴き出してしまいます。彼女自身、かつて子供に手を上げてしまい、虐待については思うところのある役どころなのですが、どうも演技が違うだろとしか言いようがないのです。こればかりは観ていただくしかないのですが。
他にもストーリー上や演出上に突っ込みどころが満載で、そういう意味では退屈することなく観られます。そういうモードで観るなら、レンタルだと料金分はちゃんと楽しめる映画と言えるでしょう。ただ、私はこの人は本当に恐い映画を撮れる人だと思っていたので、やはりがっかりしたというのが正直なところです。また口裂け女の役を水野美紀さんがやっているのですが、誰がやっても同じような役で、まるでいいところが無かったのも残念です。こういうのが好きなマニアの方はどうぞといった感じの映画でございます。
| 00年代日本映画 | 09:56 │Comments0 | Trackbacks3│編集│▲

