生まれてから今まで観てきた映画全部

タイトル通り、生まれてから今まで観てきた映画全部についての感想を述べたいと思います。

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ウルフガー

Author:ウルフガー
業界の末端に携わっている映画好きです。名前の由来は「ナイトホークス」より、ルトガー・ハウアー扮するテロリストから勝手に頂きました。

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ついでにもう一つヒッチコック監督の映画いきましょう。「ダイヤルMを廻せ!」です。これは「暗くなるまで待って」でも有名なフレデリック・ノットの舞台劇が元になっています。しかも公開時は3D映画だったということです。しかし特に3Dでないと楽しめないような映画でなく、ちょっと意図が分からなかったりします(そう思って見ると、まあこれ見よがしに立体感を強調したカットが目立つ程度)。

これはテレビで深夜やっているのを見ました。どんな映画だかまるで予備知識がなかったので、正直前半はちょっと退屈しました。話が見えないのです。旦那が妻の不倫を男に話している。その話が長かった記憶があります。今見るとそれほど長くないかもしれません。とりあえず、早く刺激が欲しい年頃だったのでしょう。で、男に妻を殺すことを依頼して、ああそういう映画なのね、と納得します。

旦那はどこかのパーティーへ行き、アリバイ作りをしておいて、男に妻を襲わせ、物盗りか何かに殺されたように見せかける、という手筈です。しかも旦那の電話に出ている時にです。これなら誰からも疑われることはありません。ここで旦那が電話をかける時に、いきなり電話の内部の描写になって、もの凄くワクワクした記憶があります。ヒッチコックはこういう無生物の描写でサスペンスを高めるのが本当にうまいです。

で、結局男は妻に返り討ちにされてしまい、殺されてしまいます。旦那の計画は狂ったわけですが、ここからが面白い。妻は普通なら正当防衛で無罪となるところを、殺されたのは物盗りでなく、妻を脅迫していた男で、計画的に殺されたのだという情報を、旦那は警察に与えるのです(ここで妻が不倫をしているというのが生きてきます)。

さて妻は裁判にかけられるのですが、ここの裁判の描写が素晴しい。省略の神様ヒッチコックの独壇場です。なんと裁判でのやりとりを、女優さんのアップのみで済ませてしまいます。言葉で説明してもうまく伝わらないと思います。凄いのでぜひ見て下さい。

もちろんこのまま映画が終わるわけがありません。妻の無実を信じる不倫相手と警部は、旦那が怪しいと睨んで、ある罠をかけます。ここの描写も、まるで説明がないのに、罠を張られた旦那の心理がはたから見てて手に取るように分かって凄いです。罠にかかった旦那は見事逮捕され、妻は釈放されるのです。しかし妻が不倫をしていたことは事実でどうにも釈然としないものが残りますが、これを観た当時は私も若かったからかも知れません。今観たらまた違う感想を持つのかもしれません。

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別に「ローレライ」の感想を書いたので、海つながりというわけではありませんが、アルフレッド・ヒッチコック監督の「救命艇」について書きたいと思います。これは大学生の頃にWOWOWでやっていたので観たと思います。この映画、閉鎖的状況サスペンスの先駆けとなったような作品で、実に救命艇の中だけでお話が進みます。登場人物は8人のみ。それで90分面白く見せるのですから、ヒッチコックはやはりうまいですね。

よくヒッチコックは省略の達人と言われますが、この映画の冒頭などはまさにそんな感じです。まず船の煙突が画面いっぱいに映り、ああこの船がいずれ沈没して、乗客が逃げて救命艇に乗り込んで、という過程を描くのかなと思っていると、その煙突がいきなり海面にズブズブと沈んで行くのです。そして海面に散らばる荷物が映し出され、その向こうに救命艇が見えてきます。もうUボートの攻撃を受けて船が沈没したあとだったのです。そしていきなり救命艇上のドラマに入ります。上手いです。ってかテンポ良すぎです。大胆です。そんな感じであとは登場人物たちの過去や性格が明らかになり、ぶつかり合いながら、あるいはドイツ兵を拾ってそこで意見を衝突させ合いながら、サスペンスフルな状況を描いて行きます。

しかしこの映画はやっぱりヒッチコックの皮肉がかなりきいていて、そこが一番の見所でしょう。ドイツ兵が必ずしも悪人かどうか分からない描き方をしていたり、真面目な人をバカにするような描写がいくつもあります。釣りのシーンとかバカっぽくて最高です。魚を釣ろうと釣り糸を垂らすのですが(厳密には釣り糸の代用の何かだったと思います)、それに近づいてくる海中の魚の様子と、ボートの上の全員が静かに待っている様子が、カットバックされるのです。説明不能のギャグのようにしか見えません。

さらに映画のオチもかなり強烈な皮肉になっており、この時代だったらそりゃ顰蹙かうよなあ、と納得してしまいました。そんなわけでヒッチコックのフィルモグラフィーからは微妙に黙殺されてるこの映画ですが、案外面白いのでヒマだったらオススメです。

ローレライ

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本日テレビでやるようなので、「ローレライ」について書いてみたいと思います。この映画は劇場で観ましたが、例によって、どうも期待しすぎてしまったようです。「潜水艦映画に駄作なし」という格言もあるように、潜水艦と映画というのは非常に相性がよく、「眼下の敵」「原子力潜水艦浮上せず」「Uボート」「クリムゾン・タイド」「レッド・オクトーバーを追え!」など、数々の名作があります(チョイスは私の趣味です)。
そんなわけで日本映画で久々のシリアス戦争巨編かなと、何の予備知識もなく、原作も読んでいない私などは、そう思って観てしまったのです。ところがこれは戦争映画でもなんでもなく、一言で言えばアニメでした。いやアニメをバカにしてるわけではなく、これだったらアニメでやった方が効果的な物語なのに、下手に実写にしてしまったことにより、いろいろとチグハグなところが出てきてしまっているのです。つまり失敗作だということです。役所さんが最初に出てきて、いかにもシリアスな戦争ものかと思いきや、SF設定が出て来て、それが理にかなっているならまだしも、設定は支離滅裂でお話も無茶苦茶です。大体誰が主人公なのか分かりません。複数の人のモノローグが平気で入りますし。これだったら妻夫木君視点で、香椎さんとの交流を宮崎アニメのような作りでやればよかったではないか、と思ってしまいます。

私はSFは好きなのですが、それだからこそいい加減なSFは許せなかったりします。まずローレライシステムがしょぼすぎます。とても大戦の戦局を左右するものとは思えません。実際ラストの敵の包囲の中から、ローレライシステムを切り離して逃げてしまいます。だったら最初からいらないじゃん。映画として成立していません。とにかく脚本を書いたあとで、ちゃんと最初から読み直したのか疑問に思えるほど矛盾だらけです。この映画の中のエピソードが歴史的にどう位置づけられているかも分かりません。あれだけのことになった後、どうやって現代の歴史につながったのか何の説明もありません。だってあの後アメリカが黙っているわけないでしょう。架空戦記というジャンルがあるのは知っていますが、完全な異世界として描いているのか、過去の戦争に実はこういう秘話があったという態でやっているのかまるでわかりません。

強引すぎる感動シーンや、アメリカとの取引の内容がよく分からなかったりと、とりあえず突っ込みどころは他にもいろいろあるのですが、そういう細部でなく、大前提が破綻しているので、観ていて非常に白けてしまいます。だってこの物語、よく考えたらそもそも役所広司を巻き込む必然性すらないのですよ(ローレライシステムを引き渡すだけだったらもっと簡単な方法がいくらでもある)。

CGや演技などは、そういった脚本に比べたら頑張っているのですが、逆に無駄というかもったいない感じがするので褒める気になれません。もう公開も済んで、DVDを買いたい人は買ったでしょうから、歯に衣着せず、言いたい放題書いてしまいました。これで痛い目を見たので私は「日本沈没」は観ていません。
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