ダイヤルMを廻せ!
![]() | ダイヤルMを廻せ! 特別版 レイ・ミランド (2006/10/06) ワーナー・ホーム・ビデオ この商品の詳細を見る |
ついでにもう一つヒッチコック監督の映画いきましょう。「ダイヤルMを廻せ!」です。これは「暗くなるまで待って」でも有名なフレデリック・ノットの舞台劇が元になっています。しかも公開時は3D映画だったということです。しかし特に3Dでないと楽しめないような映画でなく、ちょっと意図が分からなかったりします(そう思って見ると、まあこれ見よがしに立体感を強調したカットが目立つ程度)。
これはテレビで深夜やっているのを見ました。どんな映画だかまるで予備知識がなかったので、正直前半はちょっと退屈しました。話が見えないのです。旦那が妻の不倫を男に話している。その話が長かった記憶があります。今見るとそれほど長くないかもしれません。とりあえず、早く刺激が欲しい年頃だったのでしょう。で、男に妻を殺すことを依頼して、ああそういう映画なのね、と納得します。
旦那はどこかのパーティーへ行き、アリバイ作りをしておいて、男に妻を襲わせ、物盗りか何かに殺されたように見せかける、という手筈です。しかも旦那の電話に出ている時にです。これなら誰からも疑われることはありません。ここで旦那が電話をかける時に、いきなり電話の内部の描写になって、もの凄くワクワクした記憶があります。ヒッチコックはこういう無生物の描写でサスペンスを高めるのが本当にうまいです。
で、結局男は妻に返り討ちにされてしまい、殺されてしまいます。旦那の計画は狂ったわけですが、ここからが面白い。妻は普通なら正当防衛で無罪となるところを、殺されたのは物盗りでなく、妻を脅迫していた男で、計画的に殺されたのだという情報を、旦那は警察に与えるのです(ここで妻が不倫をしているというのが生きてきます)。
さて妻は裁判にかけられるのですが、ここの裁判の描写が素晴しい。省略の神様ヒッチコックの独壇場です。なんと裁判でのやりとりを、女優さんのアップのみで済ませてしまいます。言葉で説明してもうまく伝わらないと思います。凄いのでぜひ見て下さい。
もちろんこのまま映画が終わるわけがありません。妻の無実を信じる不倫相手と警部は、旦那が怪しいと睨んで、ある罠をかけます。ここの描写も、まるで説明がないのに、罠を張られた旦那の心理がはたから見てて手に取るように分かって凄いです。罠にかかった旦那は見事逮捕され、妻は釈放されるのです。しかし妻が不倫をしていたことは事実でどうにも釈然としないものが残りますが、これを観た当時は私も若かったからかも知れません。今観たらまた違う感想を持つのかもしれません。




