生まれてから今まで観てきた映画全部

タイトル通り、生まれてから今まで観てきた映画全部についての感想を述べたいと思います。

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ウルフガー

Author:ウルフガー
業界の末端に携わっている映画好きです。名前の由来は「ナイトホークス」より、ルトガー・ハウアー扮するテロリストから勝手に頂きました。

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アンジェラ

アンジェラ スペシャル・エディション アンジェラ スペシャル・エディション
ジャメル・ドゥブーズ (2006/10/20)
角川エンタテインメント
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プロデュース業で忙しいリュック・ベッソンの久々の監督作「アンジェラ」です。これは劇場でやっているときはあまり観ようと思わず、いつの間にか終わってしまっていました。同様に考えた人が多かったのか、そんなにヒットはしなかったそうです。モノクロだし、あまり派手そうじゃないし、知らない人ばかり出ているし、私同様あまり面白そうじゃないと思ったんでしょうか。でもDVDで観てみたら、これ実にいい映画でした。

ちょっと笑ってしまうくらい、この冴えない主人公というのがリュック・ベッソン自身なのです。それがいきなり現れた長身の美女にいろいろ助けられるという。願望丸出しの映画です。別に銃撃戦があるわけでもバイオレンスがあるわけでもないのです。でもそういう感じで宣伝されているのでちょっと可哀想です。というかこういう中身を分かってない宣伝がこの映画にとって一番のネックだったのではないでしょうか。

パリを舞台に限られた時間内でドラマは展開します。そんなにお金はかかっていません(でも撮影は凄い)。主人公のアンドレは口先ばかりで誤摩化して借金を作り、その返済を迫られどうにもこうにもならない状況のダメ男です。いよいよ期限が迫り、川に身を投げて死のうとしたときに、アンジェラという謎の美女と出会います。で、この謎の美女にいろいろ助けられるわけです。まあそこらあたりは観てもらえればけっこう面白いと思います。ポイントなのは、金を用意してくれたり借金取りをノックアウトしてくれたりという即物的な面でなく、アンドレが自分自身を愛していないのが根本の問題であると見抜き、自分自身を愛するようにと教えてくれるところです。これによってアンドレの魂が救済されるのです。鏡の前のシーンは本当に名シーンです。多くの人にこのセリフは響くのではないでしょうか。

そんなわけでセリフがチョット多くてなんだか変った映画なのですが、愛すべき掌編と言った感じのこの映画、アンジェラが実は本当に○○だったという展開は私はどうかなと思うのですが、でも観終わった後の感覚は心地よいものです。けっこう拾い物なので、敬遠している方もちょっと観てみたらどうでしょうとお薦めしておきます。

テキサス・チェーンソー ビギニング

テキサス・チェーンソー・ビギニングテキサス・チェーンソー・ビギニング
(2007/03/23)
ジョルダーナ・ブリュースター

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先日、「テキサス・チェーンソー ビギニング」を観てきました。これは前作「テキサス・チェーンソー」の続編かと思いきや、プリクウェル(以前の話)になっています。ビギニングとはそういう意味です。一応最初に言っておきますが、ネタバレします。映画の結末まで書いてしまいますので、未見の方はご注意下さい。まあネタバレされてもどうということのない映画ですが…。

ここにはかなり興味深い内容が描かれています。レザーフェイスがいかに生まれ、どうしてあのような怪物になったか、オープニングを使って描かれます。食肉工場で働いていたのが、工場が閉鎖され、怒ったレザーフェイス(まだレザーはかぶってないが)によって工場長が殺され、逮捕されそうになるところをリー・アーメイが保安官を射殺。その制服を奪って自らが保安官となるのでした。実は偽警官だったのか、というのがちょっと面白かったところです。町から人はいなくなり、それでもあの一家だけが町に残り、馬鹿な若者たちが例によってフラフラと遊びに来ます。そんなわけで殺戮が始まるのですが、段取りとしては一応一通り見せられたものの、ビギニングと言っている割には、あの一家の狂気の原因はまるで分かりません。映画が始まった瞬間にもう狂ってますから。でも、そんな説明がなくても、まあOKです。

今回犠牲になるのは男二人、女二人の旅行者。男二人は兄弟で、このバカンスが終わると兄貴はベトナムへと戻り、弟も戦場へ行くはずが、実は行きたくなくて女と逃げようとたくらんでいるという事情を抱えて、何となくドラマっぽいことも詰め込んでますが、基本的にどうでもいいです。こいつらが走行中、女ヒッピーに襲われそうになり、なんだかんだで牛とぶつかって事故り、そこへリー・アーメイ演ずるホイト保安官がやってきて、女ヒッピーをいきなり射殺。草むらに投げ出された一人の女を除いて囚われの身となってしまいます。

そこからはまあ前作の通りです。いじめられ、逃げようとしてまた捕まり、助けにきた奴も殺され、拷問を受け、一人死に二人死に・・・、まあ標準的なホラー映画の展開通りに進んでいきます。前作の「テキサス・チェーンソー」の時も思ったのですが、昔のアメリカという雰囲気をかもし出す映像の質感とかはさすがです。手持ちで揺れ揺れの画面で臨場感を出し、えげつないスプラッタをやりながらも、ギリギリのところで核心部を見せないというカメラワーク、そして見つかるか見つからないかというサスペンスを感じさせる演出、全てが水準以上です。これは良く出来たホラー映画です。

レザーフェイスがはじめて人の顔の皮をかぶる瞬間や、チェーンソーを殺人に使う瞬間も描かれ、ファンには嬉しい内容だと思います。でもやっぱりこれは「テキサス・チェーンソー」シリーズであって、「悪魔のいけにえ」シリーズではないんですよね。非常によくできたホラー映画なのですが、オリジナルの反吐が出そうな生々しさ、ドキュメンタリータッチとも言えるリアルな恐怖というものはありません。いや、あるんだけどやはり足りません(オリジナルと比べるなよという話ですが)。現在求めうる最大限のテクニックと技術でもって、最高のホラー映画となっているのですが、本当に暗黒な部分からは、技巧や撮影技術が高いレベルにあればあるほど遠ざかっているような気がするのです。これはただの無いものねだりなのでしょうか。

この映画はプリクウェルだけあって、レザーフェイスたちが退治されることはなく、驚いたことに犠牲者たちが全員殺されて、そこで終わります。最後に女が生き残って、車を運転して逃げるのですが、実は後ろのシートにレザーフェイスが潜んでいてチェーンソーに貫かれるのです。その勢いで関係ない警官とかを轢き殺したりする謎の演出があるのですが、それはまあいいです。気になるのは、レザーフェイスが後部座席に息をひそめて隠れるなんて芸当をするか? ということです。なんだかパワフルに追いかけてくるだけの彼からしたらイメージしにくい姿です。そういう意味でもなんだかオリジナルから遠く離れてしまったなあ、と思いました。ただ繰り返し書きますが、単体のホラー映画としては出来はいいのです。レザーフェイスよりリー・アーメイの方が目立っていますが、面白い映画なのです。恐らくこれは「悪魔のいけにえ」の呪縛から逃れられない私の方の問題なのだと思います。

力道山

力道山 デラックス・コレクターズ・エディション 力道山 デラックス・コレクターズ・エディション
ソル・ギョング (2006/08/04)
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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これはDVDで観たのですが、凄くよく出来た映画でした。「力道山」です。まずソル・ギョングが凄いです。俳優の彼が元プロレスラーらしき選手役の人達と違和感無くプロレスシーンを演じています。これがしょぼかったりすると映画全体が台無しになってしまうところですが、実によく頑張っています。チョップとかけっこう本当に当てていて、撮影はかなり大変だったのではないかと思います。

そもそもプロレス映画というのは名作が多いものの、そのプロレスシーンが納得のいくものになっている作品というものはそんなに多くありません。必ずどこか違和感を感じてしまいます。それはプロレスというもの自体が映画のような演出が加わっているものだからどこかでその演出がカチ合ってしまうというか、うまく言えませんが何だかぎこちないものになってしまうのです。しかしこの映画は徹底的にリアリズムにこだわり、当時の空気感を再現することで成功しています。プロレスとしても映画のアクションシーンとしても成立しています。

物語はご存知の通り、戦後、力道山が力士となり差別を受けて苦しみ、レスラーに転向、大スターとなり、栄光と挫折の中、暴漢に刺されて短い一生を終えるというものです。お話は特に新説を加えたということも無く、彼の人間性に密着し、ていねいに描いていきます。それがまるでスコセッシの映画のように見事にドラマティックに展開するので、本当に感心してしまいました。

日本人の役者もたくさん出ています。藤竜也や中谷美紀、萩原聖人、また重要な役で登場する山本太郎など、それぞれ今までのベストアクトではないかと思えるほどの名演技を見せます。ソルの日本語は一部発音が怪しいものの、そこもまたリアルに思えてくると言っては褒めすぎでしょうか。ハロルド坂田役の武藤敬司や木村政彦役の船木誠勝なども出番は少ないものの、いい味を出しています。

私が特に感動したのは八百長を受けて力道山がリングに上がるのですが、自分のピンチに子供たちの声援が聞こえてきて、その声を裏切ることができず、思わず八百長破りをして勝ってしまうシーンです。プロレスファンも映画ファンも感動間違いなしの演出です。こういうノリってアニメとかでしか成功したのを観たことがないのですが、全く恥ずかしげもなくヒーローとして力道山が成立しちゃってるのが凄いです。言ってることの意味がよく分からないと思いますが、観てください。観てもらわなければこの感動は分かりません。

ラストは韓国映画らしく、というか実際に力道山は刺されて死んだのでしょうがないのですが、死んだ後に幸せな頃がオーバーラップし、写真とかの小道具を使い、感動的にまとめています。この映画はヒットしたのでしょうか? イマイチ観られてないような気がしますので、多くの人にぜひ観てほしいと思います。まあプロレスが大嫌いという人は観てもあまり面白くないかもしれませんが…。
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