生まれてから今まで観てきた映画全部

タイトル通り、生まれてから今まで観てきた映画全部についての感想を述べたいと思います。

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ウルフガー

Author:ウルフガー
業界の末端に携わっている映画好きです。名前の由来は「ナイトホークス」より、ルトガー・ハウアー扮するテロリストから勝手に頂きました。

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暴力脱獄

暴力脱獄 暴力脱獄
ポール・ニューマン (2006/06/02)
ワーナー・ホーム・ビデオ
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これはさんざん日曜洋画劇場や月曜ロードショーなどでやっていた記憶があります。「暴力脱獄」です。ちゃんと観たのは、お昼のロードショーでさわりを観て、ちゃんと観ようと思ってわざわざビデオを借りて観ました。10年くらい前だったでしょうか。この映画、何がいいとうまく言えないのですが、何とも印象に残る映画です。ポール・ニューマン演ずる主人公が何を考えているか分からないのです。無軌道な行動の末、破滅へと向かって行きます。これもニューシネマなのでしょうか。

物語は単純というか何というか、主人公のポールは酔っぱらって駐車メーターを破壊していたところ(パイプを切断するような器械で切断していたと思います)、警察に捕まり、刑務所に入れられます。そこでポールはわざと目立つような行動をしつつ、何度も脱獄を試みます。

単なる反骨心だけでやっているのか、何か目的があるのか、ポールの心は我々観客にははっきりと分かりません。ただ、それだけに謎めいて何とも忘れがたい印象を残すのです。私が特に覚えているのは、ゆで卵をたくさん食べるシーンと、看守に何度も穴を掘らされ、埋めさせられるシーンです。何だか目が離せないのですけど、自分はなんでこんな映画を観ているんだろうと冷静になったら思ってしまうシーンです。なんでゆで卵をたくさん食べるシーンを夢中で観なければいけないのでしょう。しかしポール・ニューマンは実際に腹がはっきりと膨れ上がるほどゆで卵を食べていきます。その体当たり演技の迫力の前に、そんな理屈はすっ飛んでしまいます。

そして大人しくなったかと思われたポールですが、ついにここぞという隙をついて脱獄を決行します。しかしそれは彼の最後の脱獄となってしまいました。最後に浮かべた彼の笑みはいったい何を表していたのでしょう。この映画はいったいどんなジャンルになるのでしょう。何ともわけの分からない、しかし忘れがたい魅力を持った映画なのでした。

スカーフェイス

スカーフェイス スカーフェイス
アル・パチーノ (2006/04/01)
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
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「スカーフェイス」は何故か劇場で観逃し、ビデオが出てからレンタルして観ました。確か2本組だったと思います。長い映画なのです。しかし観ているとちっとも長さを感じません。むしろずっと終わらないでくれと感じます。

当時、あまりのバイオレンスが話題になりました。ブライアン・デ・パルマ監督は、今では普通にフィルムノワールからサスペンス、バイオレンスまで何でも撮りますが、当時ギャング映画を撮るということで、新境地を開拓したような言われ方をしていたと思います。それまでも血がいっぱい出る映画を撮ってはいましたが、どこかエレガントな感じがしていたので、この映画のような荒々しい描写は確かに衝撃的でした。

とにかく全てが強烈な映画です。オリバー・ストーンの脚本もトニー・モンタナという強烈な上昇志向を持った人間を描くことのみに集中しています。もともと「暗黒街の顔役」という映画のリメイクですので、ストーリーラインは決まっています。ギャング映画としてはありふれたものです。それをキューバ移民を主人公に、マイアミを舞台にすることで恐ろしいほど80年代のアメリカを表現してしまいました。

そして主人公トニーを演じたアル・パチーノですが、彼としてもこれほど強烈な役をやったのは初めてと言ってもいいのではないでしょうか。とにかくセリフの半分以上がファックという言葉ではないかと思えるほど、下品で自己中心的で、タフで凶暴な、成り上がりの移民ギャングを見事に演じています。こんなに嫌な奴はいないはずなのに、映画で観る限り、この人間は非常に魅力的に見えます。それは子供は殺さないとか、自分自身にルールを持っているからでしょうか。

しかし彼はサクセスロードから転落してしまいます。それは友を信じることができず、家族を守れず、自分の扱うヤクに手を出すといった「ルール」破りをしてしまうからです。こういった追いつめられ方は黒澤明の「蜘蛛巣城」になんとなく似ている気がしますが、きっと偶然でしょう。

そして映画史上に残るラストの銃撃戦。当時延々と撃ち合ってたような印象がありましたが、実は今見るとそんなに長いシーンではないのですね。侵入してきた殺し屋たちをドデカイ機関銃で撃ち殺していく様は、もう自分が死ぬことが確定しているのに何故かカタルシス満点です。破滅の美学に満ちています。できれば最後は後ろから撃たれるのでなく、「白熱」のジェイムズ・キャグニイのように死んで欲しかったのですが…。なんとも無常感漂う映画ですね。

ブラック・レイン

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マイケル・ダグラス (2006/11/17)
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もうすぐ決定版のDVDも出るという「ブラック・レイン」です。正直この映画は撮影されている時からワクワクしていたものですから、あまり冷静な気持ちで観られませんでした。公開されて私が観る時にはすでに松田優作さんは故人になっていまして、舞台が大阪ということもあり、今でもこの映画を客観的に評価するというのは無理、というかあまり意味の無いことのように思えます。

ストーリーは「マンハッタン無宿」の項で書いた通りです。アメリカの刑事が犯人の引き渡しに日本に来ますが、そこで取り逃がし、日本で大暴れして捕まえるというだけです。ストーリー的に目新しいものはありませんが、それなりに燃えるお話です。しかも日本が舞台だし、日本人役者は出ているし、面白さは30%増しくらいに感じます。

大阪の街がまるで近未来のように見えたり、ヘビのウロコの代わりに浴槽でスパンコールを見つけたりと、リドリー自身が意図的に「ブレードランナー」の焼き直しをしているかのようです。イギリス人のリドリーが撮ると、日本の街や日本人役者もこんなに良く映るのかと驚いたものですが、ちゃんと照明や構図に時間をかけているというだけで、日本映画はここでお金や時間がなかったりするのですね。こういう映画が出来てしまうと、日本の街は絵にならないから、という言い訳が出来なくなってしまいます。

それでも要所要所で片言の日系人役者が惜しいのですが、西洋資本で作られた日本を舞台にした映画の中では一番ちゃんとしているレベルの作品です。ちゃんとしているかどうかが必ずしも面白さと比例しているわけではないのですが、この映画は面白さもちゃんとしています。ただ、さっきも言った通り日本人が観ての面白さでしょうねこれは。

それはそうとして、松田優作が死ぬバージョンのエンディングはやはり観れないのですかね…。
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