生まれてから今まで観てきた映画全部

タイトル通り、生まれてから今まで観てきた映画全部についての感想を述べたいと思います。

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ウルフガー

Author:ウルフガー
業界の末端に携わっている映画好きです。名前の由来は「ナイトホークス」より、ルトガー・ハウアー扮するテロリストから勝手に頂きました。

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トロン

トロントロン
(2005/12/21)
ジェフ・ブリッジズブルース・ボックスレイトナー

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さて本日はCG映画の元祖とも言うべき「トロン」をご紹介したいと思います。部分的にはそれまでも「ルッカー」や「デモンシード」に使われていたのですが、映画全編に渡って大々的にコンピューターグラフィックスが使われたのは、確かこれが最初だったと思います。

これは公開当時、家族揃って劇場に観に行きました。予告か何かでバイクのシーンを見て、何これ最高なんですけど、と思って期待感は満点でした。しかしそのシーンはあまり長くなくてちょっとしょんぼりした記憶があります。

ジェフ・ブリッジス扮するプログラマーがひょんなことからコンピューター世界に入ってしまうのです。今で言うサイバー空間というのでしょうか。もちろん当時はそんな言葉はなかったわけですから、映画としては相当先取りしたアイデアです。

で、電脳空間では、普通のファンタジー系の映画の王道的なパターンで、見知らぬところで仲間を見つけて、悪い奴のところまで行ってそいつをやっつけるという、まあ一本道なRPGみたいな感じです。しかしそこにひねりなど最初から求めていないので、それは別にいいのです。

やはりこの映画は映像に尽きます。これが本当に一見の価値のある物で、なぜもっと再評価されないのか不思議でしょうがありません。思うに技術が進歩した今から見ると、当時の技術って大したこと無いのねー、とか、昔にしては頑張ってるのねー、みたいな言われ方をどうしてもされてしまうのかもしれません。しかし本当によくよく見てみれば、技術的どうのこうのは私はよく分からないのですが、映像そのもののカッコよさでは、全然今のCG映画に負けていません。

というのも当時はさすがに技術や処理速度の問題で、画面上にあまりたくさんのキャラクタは作れず、それ以外の部分が真っ黒であったりします。しかしそのバランスというか、画面構成は計算され尽くしていて、デザイン的に凄く秀逸な画作りがなされています。今のアニメチックなキャラクターをとりあえず3Dにしてみましたよ的なCG映画よりよほどクールです。

メビウスのデザインによるコスチュームとか、バイクのスピード感も凄いです。ここら辺などはちゃんと演出でスピード感を出しています。技術の問題をフォローしようと、演出や小道具や、とにかく知恵を絞っていろんなアイデアを出したのでしょうね。この映画の成功はデジタルの勝利ということではなく、アナログとデジタルの融合に成功した勝利という感じです。

当時は全く気がつかなかったのですが、ジェフ・ブリッジスさんが主演だったのですね。ただこの映画に関しては誰が主演でも同じようなものでしたので、その点だけはちょっとお気の毒な感じがしました。

暴走機関車

暴走機関車暴走機関車
(2006/01/25)
ジョン・ヴォイトエリック・ロバーツ

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最近私の趣味で偏った映画ばかり紹介していますが、本日もマイフェイバリットな一本「暴走機関車」です。よく月曜ロードショーでやってましたのでそちらをご覧になった方もいるかもしれません。黒澤明さんが原案で、ロシア出身のアンドレイ・コンチャロフスキーさんが監督の骨太アクション映画であります。

ジョン・ボイト扮する主人公マニーは刑務所内でカリスマ的存在の囚人で、刑務所長から目の敵にされていじめられてます。ついに囚人を使って殺されそうになったので、エリック・ロバーツ扮する若い主人バックと脱獄を決行します。下水道をすべって外に出る二人。外は酷寒の雪景色です。二人は走り出した機関車に飛び乗るのですが、偶然機関士が心臓発作で転落、機関車は二人を乗せたまま暴走を始めるのでした。

まず刑務所内の生々しい映像が凄いです。70年代の映画のようなリアルな質感で最低の環境を描いています。こんなところからは誰だって脱獄したくなります。マニーたちが脱獄すると刑務所内が騒がしくなるのですが、それを刑務所長は一人で演説して鎮めます。ここのセリフが凄いです。「まず神がいる。その次が所長、そして看守。その次が外の犬たち。その下がお前たちだ。最低のウジ虫だ」という、まあうろ覚えなのですが、ジョン・P・ライアンの名演と相まって、この映画の方向性を決定づけるような名シーンとなっています。

そして何と言っても凄いのが、一面の雪の世界、そして有無を言わさぬ迫力で疾走する機関車です。大自然と人間が作り出した怪物、どちらに対しても人間の力など無力と言わんばかりの過酷な展開が待っています。機関車が暴走を初めて最初の衝突シーンなどは映画だと分かっているのに、うわ本当にぶつかったよ、などと驚いてしまいました。それまでのリアルな描写のせいでしょうね。

その衝突で先頭車両がつぶれた機関車は何か本当に怪物みたいに見えて不気味です。機関車に実はもう一人乗っていて、それがレベッカ・デモーネイ扮する女性なのですが、この三人が生き延びるために何とか機関車を止めようとあがいていきます。極限状態の中で、マニーのメッキが剥がれ、彼もまた一人の人間でしかないことが分かり、彼を崇拝していたバックが寂しそうな表情をするところが印象的です。

もうどうにも打つ手がなくなった頃、所長がヘリでこの機関車を追いかけてきます。これ物語としてははっきり言ってめちゃくちゃです。いくら二人の間に因縁があるからと言って、所長自ら追ってはきませんよ普通。しかもハシゴにぶら下がって機関車に飛び移ってくるんですよ。下手したら馬鹿映画です。でも全てのアクションが生身の人間によって行われているという(もちろんスタントマンでしょうが)、誤摩化しなしの演出のせいで、観ているうちはそんなツッコミはしていられません。この辺りのアクションはもう本当に映画史に残ると思います。全体的に命がけすぎます。

最後のまとめ方も強引ですし、とにかく力技な映画です。私はこの映画は大好きですし、アクションも凄いし、映像や編集など、全てのクオリティが高いと思うのですが、やっぱりどこかおかしいと思ってしまいます。でもそれは悪い意味でなく、問題だらけのストーリーも含めて一種異様なテンションがこの映画を希有なものにしていると思うのです。この世界観に一番近いのは梶原一騎さんや小池一夫さんの劇画かもしれません。すみません、また漫画を引き合いに出してしまって…。

私はいつか大きなモニターを買って、自宅にホームシアターみたいなものを作りたいという夢を持っているのですが、そこで一番最初に観たいのは実はこの映画であったりします。

リトルショップ・オブ・ホラーズ

リトルショップ・オブ・ホラーズ 特別版リトルショップ・オブ・ホラーズ 特別版
(2008/07/09)
リック・モラニスエレン・グリーン

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これも学生時代に劇場で何度も観た映画ですが「リトルショップ・オブ・ホラーズ」です。これ結構ヒットした気になっていたんですが、あまり世間一般にはそれほど知名度がない映画だと最近知って愕然としました。ということは一部にカルト的な人気がある映画と分類されているのでしょうか。しかし私はこれこそが娯楽の本道で、もっとヒットすべき映画だと思うのです。

いきなり力説してしまいましてすみません。お話はさえない花屋の店員リック・モラニスがある不思議な植物を手に入れて、いろいろな騒動が巻き起こるというものです。その様子がミュージカル仕立てでテンポよく描かれていきます。

モラニスは店員のオードリーという女性が好きなのですが、典型的モテない君ですので、告白なんかはできません。偶然見つけた不思議な植物にオードリー2と名付けて話しかけることくらいしかできません。しかもオードリーにはサディストの歯科医の彼氏がいて(スティーブ・マーティンです)、どうもたびたび暴力を受けているようです。モラニスが自分の不甲斐なさを嘆いているうちに、次第にオードリー2が肉食であることが分かってきます。そしてオードリーはいきなり喋りだし、「俺に何か食わせろ」と歌いだすのです。「フィード・ミー、シーモア」と歌いだすところはかなりの名シーンで、その後「3人のゴースト」でもビル・マーレイがセルフパロディ的に言っていましたね。話を戻しますが、モラニスは歯科医を殺してオードリー2に食わせようと計画するのでした…。

もともと60年代のロジャー・コーマン製作のB級ホラーで同名の作品があり、それのリメイクなのですが、印象は全く違っています。と言うかいったん舞台でミュージカルになったそうで、それの映画化ということなのでしょう。とにかく歌がいいです。モータウン系のサウンドというのでしょうか。始まってすぐにシュープリームスのような3人娘が出てきてテーマ曲を歌うところからノリノリです。観終わってすぐにレンタル屋さんに行ってサントラを借りた覚えがあります。ただサントラの曲はちょっとアレンジが違っていて私は劇中で使われていたバージョンの方が好きでした。

この映画で書きたいことはいくつもあるのですが、まずオードリー2の動きが見事です。監督のフランク・オズと言えば、ヨーダ役でおなじみですし、ジム・ヘンソンと一緒に「ダーク・クリスタル」を撮った方ですからマペットの扱いには定評があります。それにしても驚異的な造形と動きです。今ならCGを使うところを全部実物大のマペットを作って実際に動かしています。それによって普通に役者と共演できるため、生々しい迫力があります。これを観るだけでも一見の価値はあります。

さらに私はこの映画で初めて見たのですが、スティーブ・マーティン演ずるサディストの歯科医の演技が爆笑モノです。ストーリーとはほとんど関係がないのですが、かなりの時間をかけてその仕事ぶりを描いていますし、マゾの患者ビル・マーレイとのバトルは、本筋とは全く関係ないのですが、この映画の見せ場の一つになってしまっています。

コメディタッチの演出にごまかされそうになりますが、ストーリー自体はちょっとヤバい領域に片足を突っ込んでる感じがします。もちろんこのブラックさは意図的なのですが、果たしてこの主人公にハッピーエンドを与えていいのか? と冷静に考えたら思ってしまいます。製作陣もそう思ったのか、オードリー2が巨大化して町を破壊するバッドエンドバージョンもいったん作られたそうです。

セット丸出しのオールドスタイルな撮り方とかもかなり好きな映画です、というか個人的には文句のつけるところがない映画だと思えてきました。ひょっとしたら単なるノスタルジーなのかも知れませんが、今流行のCGよりも、アナログ感覚溢れるマペットの方がどう考えても味わいがあっていいと思うんですけどねえ…。
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