生まれてから今まで観てきた映画全部

タイトル通り、生まれてから今まで観てきた映画全部についての感想を述べたいと思います。

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ウルフガー

Author:ウルフガー
業界の末端に携わっている映画好きです。名前の由来は「ナイトホークス」より、ルトガー・ハウアー扮するテロリストから勝手に頂きました。

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フリークス

フリークスフリークス
(2006/03/24)
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1932年に作られたトッド・ブラウニング監督のカルトムービー「フリークス」です。当時の日本公開時は「怪物團」というタイトルだったのですが、それではあんまりなので、ソフト化の際に使われているこのタイトルでやります。ビデオ化の際につけられた「神の子ら」というサブタイトルもなんだかあざといので無視します。

この作品は一般的にホラーと言われていますが、本当にホラー的な狙いが作り手にあったのかどうか、ちょっと微妙です。シーンとしてはホラーのお約束を感じさせる構図もあるのですが、特殊な映画ですのでよく分かりません。お話としては、サーカスの空中ブランコ乗りの女性が、見せ物芸をやる小人の財産を目当てに結婚しようとし、それに気付いた小人の仲間のフリークスたちが、彼女に復讐するというものです。特筆すべきは、フリークス役の人達を本物のフリークスが演じ、その芸をスクリーン上で披露するところでしょう。

この映画はあまりに衝撃的だからイギリスで30年間上映禁止になったとか、いろいろいわくつきの映画でもあります。ひょっとしたら宣伝のためにでっち上げられたものかもしれません。しかし良識ある人はちょっと倫理的に問題があると思うかも知れません。しかし、そういった情報を頭に入れていた私は、80年代のカルト映画ブームの最中にビデオ化されたこの映画をやっとの思いで観て、そんなに大したものではないではないか、とちょっと拍子抜けした記憶があります。本当にあらすじ通りのことしか起こりません。フリークスたちの描き方も当時としては画期的なくらい公平に描かれているのではないでしょうか。彼らはただサーカスで働く団員で、その身体的な特徴や能力はただの個性であるくらいにしか描かれていません。そして復讐される女も因果応報という形で、もちろん最後にはとんでもない目に会うのですが、それによってフリークスたちをそれこそモンスター扱いしているといったノリではありませんでした。

今だから告白しますが、私はもっと差別的で酷い映画だと思って観たのです。いやそういうのが好きだというわけじゃなく、怖いもの観たさというやつです。だって今から50年くらい前の映画ですよ(観た当時から数えて)。倫理的に問題のある映画だと思うじゃないですか。でもこの映画ではむしろフリークスたちへの愛が、そして健常者(という言葉もなんか適切じゃないような気がしますが、他に言いようがないので)たちの心の醜さがこれでもかと言わんばかりに強調されています。

どう見ても悪いのは女の方です。ホラー映画の場合、悪いのが主人公たちでも、モンスターに該当する何かが襲って来たら、それを撃退して終わり、というハッピーエンドになるのが常です。一番顕著なのは「テラートレイン」です。ってそんなマイナーな映画を挙げてもダメか。例えば「フランケンシュタイン」でも、フランケンシュタインの怪物はある意味被害者であるのですが、その存在が危険なため、と言うかやはり人を襲った以上退治されて終わります。しかしこの映画では女に復讐したフリークスたちが退治されて終わりということにはなりません(もしそんな映画だったらさすがに永久に上映禁止のような気がします)。そういう意味で、これがフリークス達をモンスターとして扱ったホラー映画であるというのはちょっと違うと思うのです。むしろ「ローリング・サンダー」のような正統派復讐映画に近いと言えるでしょう(ってまた誰も知らないような映画で例える)。私自身としてはこの映画は特に面白いと感じたわけではないのですが、やはり貴重な映像が見られるし、当時としては驚くほど倫理的に気を使われた映画ということで、非常に興味深い映画だと思いました。
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