インデックス作りました

全く脈絡なく記事を書いてますのでせめて50音順のインデックスをつけてみました。

【続きを読む】

| コラム | 00:00 │Comments3 | Trackbacks0編集

崖の上のポニョ

「ポーニョポーニョポニョ魚の子〜」という歌がこの一週間くらい頭の中にこびりついて離れないので早速観に行ってきました「崖の上のポニョ」です。説明するまでもないと思いますが宮崎駿監督の最新作で、魚の子のポニョと人間の男の子の純愛ラブストーリーを描いた作品で、「ハウルの動く城」を観ていない私にとっては「千と千尋の神隠し」以来の宮崎アニメでした。

いやあ楽しかったですねえ。もう夏休みですし、日曜日でもありましたので、劇場は家族連れで賑わってまして、久しぶりに満員の映画館でワイワイしながら映画を観るという経験ができました。

それで映画ですが、冒頭から手描きの感じをかなり意識した柔らかい絵柄で一気に作品世界に浸ることができます。ほとんど台詞がなく、ポニョがなんか研究者のところから脱出するくだりから始まります。まあ実は親父だと後で分かるのですが。

外の海に出てクラゲに乗って海面まで出ますが、漁の網に捕まりそうになったりなんやかんやしているうちにビンにハマって岸に漂着します。それを見つけたのが崖の上の家に住む宗介という男の子でした。もうここまででかなり面白いです。動きが凄いのは当然ですが(いや当然で済ませちゃダメなんですけどね)、網に捕まりそうなところのサスペンスや、そうかと思うとユーモラスな動きも飛び出して、ああアニメってこういうもんだよなあ、と大げさにもちょっと感動してしまいました。

あの風貌のポニョを見て宗介がいきなり「あ、金魚だ」と言うので度肝を抜かれますが、この世界の人間には普通に金魚に見えるようです。しかしおばあちゃんの一人は人面魚だと言ったりしてよく分かりません。あまり深く考えてはいけないのでしょう。

物語が地上に上がると、絵柄がまたちょっと変わります。背景なんか色鉛筆で塗ったかのようです。その中を自在にキャラクターが動き回るのはちょっと観ていて不思議な感じがします。手描きっぽいんですけど、恐らく随所にデジタルな技術を使っているんでしょうね。よく分からないのでちょっと言及は避けておきますが。

お話は陸に上がったポニョをお父さんが追いかけてきて連れ戻し、またポニョが逃げようとして、お父さんが研究していた「生命のスープ」とでも言えばいいのでしょうか、原始の海のエキスのようなものを間違って流出させてしまい、大騒ぎになってしまうという感じです。ポニョ自身もそのエキスの影響で魔力を持ってしまい、人間に変身します。さて宗介と出会えるか、みたいな盛り上がりを見せておいて、あっさり出会ってしまい、魚のポニョだとすぐに分かってもらえます。その辺は映画の半分くらいでうまくいってしまいます。

「千と千尋の神隠し」の時も思ったのですが、宮崎さんの脚本は本当に掟破りと言うか、脚本のセオリーから言ったらやってはいけないことばかりやっていて、他の人がこんな脚本で映画を撮ったらとてもじゃないけど成立しないんですが、なぜか宮崎監督作品だと気にならないので不思議です。

意図的にやっているのかも知れませんが、この映画もアンチクライマックスと言うか、中盤のポニョが津波とともに戻ってくるところが一番の盛り上がりで、後半はむしろ淡々としています(つまらないというわけではありません)。

一応二人のラブストーリーになっているのですが、二人の仲を裂くような障害があからさまに用意されているわけではありません。町が水没して大騒ぎにはなっているのですが、何か町の人もそう深刻に苦しんだりはしないのです。それで(ああネタバレしますね)最後にポニョが人間になることを選択したら、天変地異が全部解決したりします。ポニョが魔力を捨てるからという理屈なんでしょうが、途中まで一体何が問題だったのか分からなくなるくらい煙に卷かれた感じがします。普通だったらここで「どういうことだよ!」といちゃもんの一つも言いたくなるのですが、面白かったのでまあいいか、と思ってしまいました。今思うと「千と千尋の神隠し」の時もそうでした。

一部に主観的な演出を取り入れていて、ずっと宗介とポニョの動きばかりを追っていて、その裏で何が起こっているのか分からないシーンが多くあります。場面転換が極端に少ないのです。知らないうちにある人たちとある人たちが出会っていて、話がついたりしています。そういうところも、本当ならもっと見せるべきだろ、と普段の私なら言うのですが、まあ別にいいかという感じでした。映画って不思議ですね。

他にも理由や設定を説明していないところが多くあるのですが、まあその辺もいろいろ解釈できるようにしているのかなと思います。さすがにトンネルのところとかは他と違ったトーンで演出していますので、象徴的に言いたいことを表しているのでしょうが、そういう考察もやってもいいのですけど、それで面白くなるかというとそうでもなさそうなのでやめておきます。まああれは大人になることへの不安とか、人と対立することへの逡巡や、性への目覚めの恐怖とか、そういうことを表しているのかな、と漠然と思っていればいいかと。もしもっと大事なことであったなら宮崎さんゴメンなさい。

全く書けなかったのですが、宗介のお母さんやおばあちゃんたちのキャラも素晴らしく、イヤな人間が一人も出てきません。お父さんも登場するのですが、ストーリーに全く絡めず終わってしまうのもシャレが効いています。終わり方も最高ですし、非常に面白い映画でした。子供だけに見せておくのは勿体ない映画だと思います。あとエンドクレジットも例の歌がワンフレーズ流れただけでサッと終了するので、最近のエンドロールのやたら長い映画は見習って欲しいものだと思います。

| 00年代日本映画 | 20:34 │Comments0 | Trackbacks2編集

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

この映画は「ショーン・オブ・ザ・デッド」のエドガー・ライト監督の新作で、アメリカでヒットし、評価も高かったものの日本ではまあご存知の通りあちらのコメディ映画というものはヒットしないもので、DVDスルーになるかと思われたところ署名運動によってなんと劇場公開となったいわくつきの作品であります。

一言で言いますとハリウッド映画でおなじみのポリスアクションのパロディで、この映画自体はイギリス映画ですので、ひねった笑いを差し込みながら、そこにエドガー・ライト監督の趣味であろうグロ描写も織り交ぜながら、最終的には燃える展開になっていくという王道娯楽映画でありました、ってちっとも一言で言ってないですね。

主人公のニコラス巡査は、驚異の検挙率を誇るスーパーコップなのですが、その優秀さを煙たがられ、田舎に左遷されてしまいます。そこは平和すぎるほど平和な村で、警官達もだらけきっています。しかし実はこの村には恐るべき秘密が隠されていたのです。

今回はまあネタバレはやめておいて、どんな秘密かは観てのお楽しみにしておきましょう。これが相当びっくりする展開でポリスものというよりどこぞのオカルト映画かのような感じになって。とにかくごった煮ムービーなのです。それが見事に融合しているかというと融合せず、カオスなまま力技でクライマックスまで持って行かれます。観た方なら分かると思いますが、コメディで始まり、オカルトになり、本当に燃える刑事アクションになり、そこから西部劇になり、ラストは東宝特撮映画になります。何を言っているのか分からないと思うでしょうが、もう本当にそんな感じなのです。

前半は少々イライラさせられることでしょう。事件が起こっても、田舎の警官達は「ああ、事故だよ事故」と全くやる気がありません。ニコラスだけが張り切っています。相棒についた男は刑事映画マニアでニコラスにカーチェイスとかしたことある? とか聞いたりしますが、ニコラスは現実にはそんなのないよ、とマトモに取り合いません。相棒はニコラスに分かってもらおうと「ハートブルー」とか「 バッドボーイズ2バッド」とかのビデオを見せるのですが、恐ろしいことにこれがクライマックスへの伏線となっていたりします。

ああ駄目だ…、全部ネタバレしたくなってきた…。とにかくイギリス流のシニカルなブラックユーモアにニヤニヤ笑いながら観ているうちに(爆笑という感じではないのですね)、ラストには本当にカタルシスに満ちたクライマックスが待っています。それまでにたまった鬱憤が全部吹き飛ぶようです。やる気の無かった田舎の署員達も立ち上がります。何と言っていいのでしょう、この辺り島本和彦さんの漫画のような盛り上がりです。

エドガー・ライト監督は相当な映画オタクだと思いますが、マニアックなネタだけに走っておらず、映画全体はちゃんと娯楽作品として仕上げています。素晴らしいバランス感覚と言っていいでしょう。

ちょっと残虐描写がキツいので人を選びますが、近年稀に見る面白さの映画なのでこれは是非多くの人に観てもらいたいと思います。ただラストの二転三転するところは、ひねりすぎというか、まあ笑えるのですが、もっとベタにスパッと終わればいいのになあ、と思いました。しかし何にしても劇場公開されて本当に良かったと思います。

| 00年代外国映画 | 21:44 │Comments0 | Trackbacks4編集

スピード・レーサー

たった今観てまいりました「スピード・レーサー」でございます。この映画はもちろん往年のアニメ「マッハGoGoGo」の映画化でありまして、当時アメリカでもスピード・レーサーというタイトルで放送されて人気を博し、あちらのファンも大勢いまして、以前から映画化の話はちらほらあったのですが、ついにウォシャウスキー兄弟によって実写映画化がなされたのでした。

本当のことを言うと当初はあまり観るつもりはなかったのです。なんだか予告の映像を観るとやたらキラキラして嘘っぽいし、主役の人も知りませんし、ウォシャウスキー兄弟にしても「マトリックス」こそは好きですが、その後のシリーズ2作目3作目と進むに連れて、だんだん私の好みでなくなっていったからです。それでも一応懐かしい気持ちもありますし、リアルタイムと言っていいのか分かりませんが再放送は子供の頃に見てましたので、やっぱり気にはなるものです。そんなに夢中になって見ていたわけではないのですが、どんな感じになっているか観に行きました。結論から書きますと、これは私の中ではかなり問題作となりました。

何から書けばいいのでしょう。全体的な印象としてはとにかく映像もテンポも情報を詰め込みすぎています。レースシーンだけでなくすべてのシーンで背景の細かい所まで凝っていたりして、そちらに気を取られていて話に集中できません。おまけに冒頭からレースと回想が矢継ぎ早に畳み掛けられ、どっちかをじっくり見せてくれよ、と私の脳は悲鳴を上げそうになりました。ここらへんはちょっと年配の観客にはかなり厳しい作りになっています。

しかし考えてみればアニメの映画化というのは難しいものです。いらないキャラは省きたいところでしょうが、それでは原作のファンが怒るでしょうし、では全員登場させたらそれなりの役割を与えなければならないし、それでは時間がいくらあっても足りないし、ということでウォシャウスキー監督は一通り全部やることにしてその分ボリュームを圧縮しようとしたのではないでしょうか。

その映像ですが、というか世界観と言ったらいいのでしょうか、近未来とも古き良きアメリカとも取れる独特の映像になっています。ちょうど60年代の日本のアニメである「マッハGoGoGo」がそれまでの生活感や汗臭さ漂うアニメから脱却してアメリカのアニメやドラマや映画を思わせるような豊かで洒落た世界観を確立したように、この映画では古き良き豊かなアメリカの無邪気さと、おもちゃ箱をひっくり返したような騒々しい未来像が共存しています。色彩感覚の趣味とかは置いておいて、方向性としては非常にオリジナルをリスペクトしていると思います。

私はアニメのストーリーをほとんど覚えておりませんので、そちらはよく分からないのですが、もっとシンプルなストーリーでも良かったのではないかと思います。というのも前半あたりの主人公の影の薄さがどうも気になるのです。もっと主人公を立てて、兄の影を背負っていたのが吹っ切れて一人前のレーサーに成長するというお話を中心にして、陰謀やら他の要素はもっとウェイトを落として欲しかったです。なんだか脇役の小芝居ばかりに時間を割いていて主人公の見せ場は運転席で座ってるだけという感じがしてしまいました。

また「いちゃもんモード」に入りそうになっていますが、決して悪いところばかりではないのです。面白いところや好きなところはいっぱいあります。ただその分量やバランスや配置に納得がいかないところがあります。レースの最中に回想するというパターンが非常に多く、これもひょっとしたら日本のアニメや漫画をリスペクトする余り、その方法論に倣っているのかも知れませんが、なんともテンポが悪く感じました。もうレースが始まっているわけですからそっちに集中したいのに、敵が接近するにつれその敵がどのように抱き込まれたかの回想が入ったりするのです。またその回想があまり面白くない上に長かったりするので余計にイライラします。こういうのはサム・ライミとかが上手いんですけどね。

バランスと言えばやたら格闘シーンとかが長かったのもどうかと思いました。監督が好きなのは分かるんですが、夜の襲撃シーンとかサラッとやればいいじゃないですか。なんで「マトリックス」みたいにわざわざカンフーアクションにするのかよく分かりません。その後のレースの最中に待ち伏せされての集団でのアクションも長かったです。というかここは映像的に遊びすぎていてどうにもついていけませんでした。アニメや漫画のテイストをいかに実写で出すかという試みをしているのは分かるのです。しかし私はどうにもシーンごとの映像の遊びを楽しむというより、ドラマの展開の遅さというか停滞が気になってしまったようです。

肝心のレースシーンもやたら車の挙動が軽いのでのっけからちょっと不満を持ってしまったことを告白しなければなりません。もうタイヤのグリップ率が0です。車が走っているというよりボブスレーが滑っているようです。あるいはゲームの「ワイプアウト」みたいと言っていいかもしれません。これを見て私は、ああスピード感だけでなくタイヤのグリップ感と言うか、摩擦がちゃんとあってそれを感じさせながら車が加速していくのが(少なくとも私個人にとっては)大事なのだな、と改めて思うのでした。アクションそのものもジャンプしたり回転したりしているばかりです。いや本当にクライマックスまでそんな調子です。敵の攻撃をジャンプでかわし、回転してぶつかったら相手の車がクラッシュするという繰り返しです。この工夫の無さは本当に「マトリックス」と同じ監督が撮ったのか疑わしく思えてくるほどです。

いかんいかん、ここまで悪口しか書いてないぞ…。確かに不満点はいっぱいあるのですが、観終わってみると不思議と充実感というか、楽しかったなあという感じがしてくるので不思議です。きっとここに出てくる登場人物が嫌いになれなかったからだと思います。なんだかんだで最後のレースで主人公が今までのことを回想するくだりとかは分かっていても感慨深いものがあります。私が特別こういうベタな展開に弱いということもありますが。基本的に嫌いではないのですが、ここがもっとこうだったらなあ…、と注文をつけたくなるところがいっぱいある映画なのです。あとやっぱり昔懐かしい音楽がかかったり、マシンのデザインや装備がちゃんとオリジナルに準拠しているところはいいですね。偵察する小さい飛行機を使わなかったのは不満ですが。

なんだかこの映画は情報量が多すぎて何度も観なければいけないような気がしてきました。あるいは何日か経ってから「やっぱり最高だったんじゃないか?」と意見が変わる種類の映画かもしれません。ここまで書いておいて無責任ですが、観終わった直後ということであまり咀嚼できていないということかも知れません。そういう意味で問題作と冒頭に書いたのでした。

| 00年代外国映画 | 20:34 │Comments0 | Trackbacks16編集

| main | next »

ブログ検索

プロフィール

ウルフガー

Author:ウルフガー
業界の末端に携わっている映画好きです。名前の由来は「ナイトホークス」より、ルトガー・ハウアー扮するテロリストから勝手に頂きました。

ご意見ご要望がありましたらこちらまで。
smtbc07@gmail.com

カレンダー

06 ≪│2008/07│≫ 08
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

最近のトラックバック

はてなリング

スポンサードリンク


Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ